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47.脂質依存のススメ~糖質依存から逃げ出す~


2021/3/7 更新

健康に生きていくうえで、食べることに神経を使うことは、とても大切です。
何を今さらですが、重要なのは、
何を、どのように、どういうタイミングで食べるのか、です。
これから読まれる文は、もしかしたらこれまでの常識を覆す食べ方かもしれません。
しかし知っておいて損はないし、ぜひすぐにでも試して実感してほしいと思います。
 
ところで、このところ体温を測る機会が増えました。体温は自分で調節できません。血圧も自分で自由に変えられない。何故ならホルモンが微妙なバランスを保っているから。
同じように体重も意識的にコントロールできないんです。
いやいや、痩せたり太ったりするじゃん。
そこなんです。食べすぎたりダイエットしたりする結果そうなる事は皆さんよくご存知。でも、なかなかそれがキープしにくいし、すぐリバウンドしたりします。そこんところは経験的に理解されてはいるけど、何故なのか今ひとつしっくりしない。
信じ難いと思いますが、体重を決めているのも体のホルモンバランスです
体のホルモンバランス!

そもそもホルモンってなんだ?
ホルモンとは、体の中で様々な情報を細胞間で受け渡す微細な物質のことです。自分の意思とは無関係に自律神経系(寝不足やストレスでバランス崩すことあり)で全て管理されます。ちなみに焼肉のホルモンは捨てる部分(放るもん)が転じたもので全然関係ないです。
 
様々なホルモンの中でも肥満と大きく関係するのが、インスリンというホルモンです。そのインスリンという“鍵”は、細胞のインスリン受容体という“鍵穴”に働きかけることで、糖質を細胞に取り込ませてエネルギーとして活用したり、必要以上に血糖値を上げないようにするために脂肪として蓄積したりする役割を果たしています。
 
栗のモンブラン、いちご大福、俗に言うスイーツが、こよなく愛されるのは甘いからだけじゃなく、ちゃんと理由があります。なぜなら甘いもの(ブドウ糖)は脳の唯一のエネルギー源で、速攻で幸福な気持ちになれるからです。甘いもの食べながら怒る人少ないと思います。血液中の糖(血糖値)が高い(高血糖)ので、脳の満腹中枢が幸せになる。なのに時間がくると、これがまたすぐ食べたくなる。脳が再び幸せになりたいから。あぁエンドレス。糖質依存スタートです。
 

 
糖質依存とは、取りすぎた糖質による高血糖でインスリン過剰となった結果、逆ギレの低血糖(反応性低血糖)が起こり、その結果、絶望的な空腹感を味わうことになり、さらに食べたい衝動が沸き起こる。
このような血糖の激しい変動による満腹と空腹感の繰り返す食べ方、本当に危険なんです。肥満、糖尿病、メタボ、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などなど、素敵な病気に立候補したようなもんです。
そして、糖質を長い時間かけて習慣的に取りすぎると血糖値を正常に保とうとインスリンは常に高いレベルで分泌され続けることになります。あまりにも多くインスリンが供給されてくるので体は血糖値を下げすぎないように、受け皿である細胞の受容体の“鍵穴”を変化させて使えないようにしてしまいます。
インスリンの効きにくい細胞が増えていく、この状態をインスリン抵抗性と呼びます。
(ちなみに、インスリン抵抗性は血液検査でもある程度ならわかりますので、ご希望の方は院長にご相談ください。)

インスリン増える=インスリン抵抗性の図式です。
このインスリン抵抗性がある体のホルモンバランス状態になると、食べるものを少し控えたところで、インスリンは大量に分泌される状況が続くことになります。
このようなインスリンの分泌が多い状態が続くことは、肥満の大きな原因で、そのホルモンバランス状態が長ければ長いほど、ますますインスリンの利き目が悪くなる(インスリン抵抗性)ので、さらにインスリンの分泌量は増え続ける。結果、何を食べても体重は増えてしまうことになります。
もう一度言います。体のホルモンバランスが体重を決める
さあ、どうしますか? 
その通り、簡単です。
インスリン抵抗性を改善すればいいんです。
そうすることで、体重のホルモンバランスを適正な状態に戻すのです。
むしろ、これを時間をかけて優先して行わないとリバウンドはほぼ必ず起こります。
当然ですが、食べない時間はインスリンが分泌されていません。
(正確には微量の基礎インスリンは持続分泌され続けています)。
インスリンが分泌されない時間が長ければ長いほどインスリン抵抗性は修復されて、ホルモンバランスが整えられて体重設定の目盛りは下げられます(但し急なダイエットで目盛りを無理矢理回すとホルモンバランスに極端な体重減少の警告が起こり逆効果です)。
 
そこで、考えてみます。
日常の中で一番長く食べない時間は、いつか、と。
一般的には、睡眠から目覚めるまで、要するに寝ているときではないでしょうか。
午後7時に夕飯食べて、朝7時に朝ご飯なら、なんと12時間のプチ断食です♪
キターーー、きました、インスリン抵抗性を改善する絶好のチャンスです。
さて、そこで、朝、無造作に好きなものを口にするのを考え直して頂きたいのです。
なんといっても、断食明けなんですから。さすがに朝からケーキや大福食べちゃ、ひとたまりもないわけで。
それなら、朝は糖質オフダイエットか。
しかし、甘いもの無しでは続かない!やっぱり朝のひとときを大切にしたい。
それでも、とにかく、このままインスリンが分泌されないのが一番なのはわかっている。。
脳が喜ぶ糖質のかわりになるものがあればいいんだ
それがあるんです。
実は糖が不足した時にのみ生成される脳が喜ぶ第2のエネルギーがあるのです。
それが、ケトン体 です。
細かい理由や代謝経路などは難しいので省きますが、ケトン体は油由来のエネルギーで、何よりインスリンの影響を受けずに脳や体を元気にすることができます。消化吸収分解が早いので肥満の原因になりにくい。
そして油の中でもココナッツオイルに多く含まれるMCTオイル(中鎖脂肪酸)は、特に構造がシンプルで消化吸収分解がひときわ素早く、血糖値を変えずに脳や体のエネルギーとして使われます。MCTオイルは無味無臭、常温保存で酸化や熱にも安定している、ただ紫外線にだけは弱いけど遮光しておけば大丈夫。
 


糖質オフなどの食事制限中の代替エネルギーです。
例えて言うなら、環境破壊をもたらす恐ろしい火力や原子力発電(糖質)ではなく、自然の風を利用する風力発電みたいなエネルギーです。
朝起きた時や断食、そして糖質オフダイエット中など。ケトン体は脳のエネルギーのほか、満腹感を改善したり、血糖値の安定、インスリン感受性を高めてインスリン抵抗性を改善、さらにはアルツハイマー認知症予防も期待されています。
 
脂質はインスリンの分泌を促す効果が最も低い栄養素です。勘違いの多くは脂質は高カロリーで動脈硬化の原因と思われていること。でも、それこそカロリー神話(クリニック通信28〜30参照)で、これが誤っていたことが続々と報告されています。とにかく信じて欲しい。脂質のみでは太りません。それでも朝から脂っこいのは勘弁してください、と。そこで、究極の朝ごはんをご紹介します。
 
●具体的かつ効果的な使用法(筆者絶賛実践中)
朝食は毎日訪れるプチ断食です。
夕飯が早い時間であればあるほど断食時間は長くなり効果的です。
まず、いつものようにおからパウダー大さじ一杯を摂取します。
次に、MCTオイル(小さじ一杯5グラム前後からスタート、多いと下痢します)をコーヒーに入れてバター約10グラム(グラスフェッドバターが最高、なければ普通のバター、でもマーガリンは絶対ダメ)をお好みの量で追加します。そして泡立て器でホイップします。ホイップするのは油をミセルというさらに吸収しやすい状態にするためです。まるでカプチーノ!朝食はこれで終わりです。他は食べません。
経験すればわかると思いますが、本当に頭がクリアになって今まで使ってない脳の部分が働いているような爽やかな午前中になります。
お昼以降の食事は普段通り。といっても、暴飲暴食はしないで、あくまで普段通り。
 
最後に、
おからパウダーで食物繊維を増やして血糖値の変動を抑える作戦は、私を含め一部の方に支持されてきました。モーニングMCTオイルコーヒーは腸内細菌を整え便秘にも効果的です。この部分もおからパウダーの食物繊維と相乗効果が期待できます。
糖質依存の体質から脱却して、今まで悪いとされてきた脂質依存体質の新しい食習慣でスリムなお腹と本物の健康を手に入れて欲しいと願います。
信じるか信じないかは、貴方次第です。

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