クリニック通信

116. 貯めすぎた代償

2026/4/4

そこのお店のポイントカードは期限がなく、気長に貯めていた。
途中で使って割引を受けるか、すべて貯めて大きく使うかを選べる仕組みだった。
私は「使えるときに使いたい派」で、ある日ポイント利用を申し出た。
すると店員さんが丁寧にこう言った。
「全部貯めた方が、よりお得になりますよ!」
その一言に少し迷いながらも、せっかくなら…と、
「お得」という言葉に押され、全部貯めることにした。

それからしばらくして、ようやくポイントカードがいっぱいになった。
「これで3000円引きだ」と、少し誇らしい気持ちでお店へ向かった。

ーーあれ?

お店が、ない。。

久しぶりに訪れたそこは、空き店舗になっていた。
移転したのかもしれないと調べてみたけれど、情報は見つからず、そのまま閉店してしまったらしい。
手元に残ったのは、使い道を失い紙切れとなったポイントカード一枚。
きっとあの時の店員さんも、ただ親切に教えてくれただけなんだと思う。
どちらを選ぶかは、自分次第だった。
少しだけ切ないけれど、いい勉強になった。
「今使えるものは、今使う」
得を求めた結果が今回の出来事だった。
それ以来、新たなポイントカードは作らないようにしている。



〔m〕

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